日本人の読解力が低下した原因とは|大人から小学生までおすすめの対策、世界との比較など紹介
2018年に実施された国際的な学力調査により、日本人の読解力が低下しているという結果が出ました。
この結果を知って、以下のような疑問等があるのではないでしょうか。
- 原因は何?
- 子供に十分な読解力を身に着けてほしい
- 読解力に自信が無いから強化したい など
そこで今回は30年以上に渡って子供の読む力・書く力を育んできた茨城県守谷市の塾『のびのび館』が、読解力低下の原因をわかりやすく解説します!
のびのび館が長年実践してきた「読む・書く・話す」が大好きになる方法も簡単に紹介するので、ぜひ最後までごらん下さい。
Contents
日本人の読解力低下を示すデータは「学習到達度調査(PISA)」
まずは、日本人の読解力が低下したと言われる根拠となった国際的な学力調査の概要、日本人の具体的な調査結果を確認しましょう。
PISAとは?概要(対象者、調査内容など)を確認
「日本人の読解力が低下した」と言われる根拠となった学力調査の概要は、以下のとおりです。
学力調査の概要 | |
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調査名 | 学習到達度調査(PIZA(ピザ)) |
実施者 | OECD(経済協力開発機構)※1 |
対象者 | ・15歳3か月以上16歳2か月以下 ・学校に通う生徒 ・日本では高等学校1年生が対象 ・日本では高等学校等で実施 ・世界37カ国で実施された(2018年) |
調査時期 | ・2000年から3年ごとに実施 ・2018年の調査結果が最新※2 |
目的 | ・自由な教育の良い点や課題を見出す ・調査結果を国の教育政策にいかす |
調査結果から得られること | ・調査を受けるまでに身につけた知識・技能を実生活にどの程度役立てられるかの目安がわかる ・読解力に関しては【テキストの理解、利用、評価、熟考する力】がわかる |
調査内容 | ・読解リテラシー※3・数学的リテラシー・科学的リテラシーを調査 ・2018年は読解力を中心として調査を実施 ・家庭環境、家庭での学習条件なども調査 ・PCで出題、解答。解答結果に応じて出題内容が変わる方式。 |
〈参考〉文部科学省『OECD生徒の学習到達度調査2022年調査 パンフレット 』
※1 OECD(経済協力開発機構)とは、自由主義経済の発展を目的として欧州と北米が対等に協力し合って組織された機構です。
※2 2021年に予定されていた調査は、コロナの影響で2022年に延期となりました。2022年は、数学的リテラシーを中心として調査が実施されます。
※3 リテラシーとは、その分野の知識・知識を活用する能力のことです。
PISA結果からわかる日本人の読解力
2018年に実施されたPISAでの日本人の読解力調査の結果は、以下のとおりでした。
2018年PISA 日本人の読解力調査の結果 |
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【全体的に苦手な傾向があった問題】
【全体的に得意な傾向があった問題】 文章の内容を理解する力については、過去の調査結果を含めて平均点が高い |
〈参考〉文部科学省『OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント 』
以上のような調査結果を、過去の結果と比較できるグラフもチェックしましょう。
〈引用〉文部科学省『OECD生徒の学習到達度調査2022年調査 パンフレット 』
ピンク色のグラフが、読解力リテラシーの推移です。
2006年から大きく平均点を伸ばし、その後2018年に向けて平均点が段階的に下がっていることがわかります。
以上のことから、2018年実施のPISA結果が公表された後より「日本人の読解力が低下した」と広く言われるようになりました。
読解力が低下した原因についても、PISA結果の中に役立つ情報があります。次に紹介します。
日本人の読解力が低下した4つの原因(PISA調査より)
2018年PISAでは読解力・数学・科学リテラシーを調査するほかに、「家庭環境や家庭での学習条件などの調査」も実施されました。
その結果から、読解力が低下した原因は4つ推測できます。
- 読書量に関する原因
- 家庭環境に関する原因
- インターネット利用時間に関する原因
- デジタル機器操作に関する原因
〈参考〉文部科学省『OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント 』
それぞれわかりやすく解説します。
読書量に関する原因
「読書が大好きな趣味1つ」と解答した生徒は、読解力の得点が高い傾向がありました。
そのため、「読書量」や「活字に触れる習慣があるかどうか」が、読解力に影響する可能性があると推測できます。
家庭環境に関する原因
OECDは「家庭の経済的・文化的背景をまとめた指標」を作成し、PISA得点との関連も調査しています。
その結果、経済的・文化的に恵まれていると推測できる家庭の生徒は習熟度が高い傾向がありました。
そのため「保護者と子供の関わり」や「子供の生活環境」も、読解力に影響する可能性あると推測できます。
インターネット利用時間に関する原因
「学校外で4時間以上インターネットを利用している」と解答した生徒は、全ての分野(読解力・数学・科学)で平均点が低い傾向がありました。
このことから「インターネット利用時間」や「インターネットを使って何をしているか」などが、読解力に影響する可能性あると推測できます。
デジタル機器操作に関する原因
日本の学校は、デジタル機器利用割合が調査国の中で最下位でした。(2018年時点)
また日常生活ではデジタル機器の使用頻度が高いものの、「チャット」や「ゲーム」のために利用する生徒が増加したこともわかっています。
このことから、以下の原因が推測できます。
- PISAはPCで実施される調査なので、2018年時点ではPCで問題を読み・解答することに慣れていなかった
- スマホでのチャットは短文のやり取りであることが、読解力に影響した可能性も考えられる
本来なら生徒1人1人を見て原因を突き止め、対策するべきですが、今回は紹介してきた4つの原因を参考にして、次に読解力低下を防ぐ&読解力をアップさせることにつながる方法を紹介します。
のびのび館が30年以上に渡って改善しながら実践し、「読む・書く・話す」が大好きな子供を育んできた方法です。
参考にして頂けると幸いです!
読解力低下を防ぐ&読解力アップにつながる方法|子供から大人までおすすめ!
通常の読書方法は「黙読」ですよね。
「活字を読むこと自体が苦手」、「読書をしても内容が頭に入らない」、「読んだ後すぐに忘れてしまう」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
のびのび館は「黙読」とは違ったアプローチで、読解力に直結する「文章を理解・整理しながら読める、整った文章を書ける」という力を高めるレッスン(「速読聴」)を実践しています!
子供から大人までおすすめの内容なので、簡単に紹介します。
読解力アップにつながる方法 |
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本の活字を目で追いながら、1人1人に合うスピード(0.5~10倍速)で朗読を聴く ※速度を早くすることで、集中力・記憶力を強化する効果が期待できます。 ↓ 10分ほどの時間内で、内容を要約して書く(読書感想文を書く) |
※実際のレッスンでは、読書をする前の準備運動の役割をする右脳開発ゲームをしてから、本を読んでいます。
国語的な能力の中で、PISAがなぜ「読解力」だけを取り上げて調査しているのかを考えると、「読む」ことは実生活に欠かせない「話す」、「聴く」に直結しているからだと予測できます。
「誰かと話したいとき」や「誰かに自分の話を伝えたいとき」に、話の内容が散乱していて根拠も無ければ、コミュニケーションが取れません。
また誰かの話を聴くときは、内容を理解したうえで頭の中で整理しなければやはりコミュニケーションが取れませんし、ほかの人に内容を伝えることもできませんよね。
実生活の中で自然に行っている「話す」、「聴く」という力には、「読む」力が大きく関わっていると言えます。
のびのび館は、上記のようなレッスンから身につけた「読む・書く・話す力」を生活や学業にいかし、さらなる成長へとステップアップする子供をたくさん見てきました。
紹介した方法は大人の読解力強化にも役立つので、ぜひ実践してみて下さい!
大人の場合は朗読を聴く機会があまりないと思いますが、以下のような方法で意外と簡単に朗読を聴くことができます♪
- You Tube
- 朗読アプリ
- 録音図書館
またのびのび館の「速読聴」コースは、幼児から大人までご利用頂けます。
茨城県守谷市で講師の暖かいサポートを受けながら読解力を強化したいとご希望の方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
※のびのび館は無料体験体験レッスンを実施中です!無理な勧誘、しつこい営業電話などは一切行っておりませんので、ご安心下さい。
お問い合わせには、私たちがおこたえします!
日本人の読解力以外の能力もチェック!世界のPISA結果も紹介
日本人の読解力低下について解説してきましたが、「読解力以外の能力はどれくらいのレベル?」、「日本以外の国はどんな結果が出ているの?」と気になっている方もいらっしゃると思います。
そこで、2018年PISAの全体結果を紹介します!
〈引用〉文部科学省『OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント 』
日本は、読解力以外では世界トップクラスの得点だったことがわかります。
また日本以外の国ではエストニア・韓国・フィンランドなどが、すべての調査でバランスよく得点していますね。
今回紹介した読解力アップにつながる方法以外で有効な方法を探ってみたい場合は、上位国独特の教育文化を調べてみるのも楽しいですね♪
まとめ
日本人の読解力低下について、2018年のPISA結果をもとに原因等を解説してきました。
紹介した4つの原因(読書量、家庭環境、インターネット利用時間、デジタル機器操作)が思い当たる場合は、今回紹介した対策を、ご家庭やご自身で繰り返し試すというチャレンジを検討してみて下さい。
また状況によってプロの視点からの原因究明や対策が必要と感じたら、学校やお近くの塾などに相談しましょう!
茨城県守谷市で「読解力を自然に身につけたい」、「読解力を強化したい」とご希望の方は、のびのび館がご相談を承ります。
「速読聴」は幼児から大人までご利用頂けるコースです。内容をご確認下さい♪
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