コラム

音読・朗読でお子さんの可能性を伸ばしましょう!メリットから方法まで徹底解説

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皆さんは、読書にもいくつかの方法があるって知っていますか?

主な方法は、黙読と音読・朗読です。

最近、特に音読と朗読に注目が集まっています。

学校の授業で音読や朗読をしたという経験がある方も多いでしょう。

では、なぜ声を出して本を読むことが推奨されているのでしょうか?

本コラムでは、音読・朗読のメリットや効果的な方法、おすすめの習い事についてお話しします。

「本が好きな子になってほしい」とお考えの方は、是非参考にしてください。

 

このコラムのポイント


●音読や朗読は、お子さんがより深く本の内容を理解する手助けになります。

●音読や朗読を通して、お子さんの“豊かな心”を伸ばせます。

●“のびのび館”には、数少ない「読書をサポートするプログラム」を実施しております。

 

音読と朗読とは?それぞれのメリットは?

読書

そもそも、皆さんは「音読」と「朗読」の違いを知っていますか?

同意語として使われることも多いですが、実はそれぞれの本質は少々異なります。

 

まず「音読」とは、文章を読む際に自分自身が本の内容を理解するために“声に出して読む”ことです。

そのメカニズムは諸説ありますが、声に出すことで情報が脳の「感覚性言語野」や「運動性言語野」に送られて音声に変換され、その音声が耳から入って再び「感覚性言語野」で解読されるという説があります。

つまり、黙読の場合は脳内で「感覚性言語野」のフィルターに一度しか通りませんが、音読の場合は二度フィルターにかけられるということです。

そのため、理解度が深まり、情報の定着度も高いと言われています。

 

一方「朗読」は、声にトーンの変化や抑揚をつけることで、物語のシーンや主人公の情念を聞き手にイメージさせる要素が加わります。

つまり、単に声に出して読む音読とは違い、“表現して読む”ということです。

ですから、朗読の対象となるのは主に小説など物語性が強い本で、音読の効果に加えて、読み手の感受性や表現力が鍛えられます。

実は、これら以外にも音読や朗読にはメリットがあります。

 

音読のメリット

まず、音読をするということは、あやふやに記憶している漢字の読みを正しく理解しなくてはいけません。

ですから、黙読のように読み方の正解・不正解が分からなくても読み進められる訳ではないので、分からない言葉を辞書などで調べる癖がつきます。

また、句読点の入れ方や話の構成を自然と意識するようになるため、読解力や作文力の向上も促します。

心地よく読みやすい文章に多く触れることで、読み手に伝わりやすい文章が書けるようになるのです。

 

朗読のメリット

今までの日本における国語教育は、漢字の読み書きや文章の読解が中心で、作文はそれら知識の定着を図るための補助的要素でした。

ですから、学校で感情豊かに朗読するような授業はほとんどなく、そのメリットもあまり重要視されてこなかったのです。

そのため、日本人の方の多くは、「プレゼンへの苦手意識」を持っている方も少なくありません。

そこで最近注目されているのが、「朗読」の効果。

朗読は、相手が聞き取りやすいスピードや声の大きさや、内容を理解させるために感情を込めるスキル、飽きさせないための抑揚など、さまざまなトレーニングにつながります。

また、物語の主人公の気持ちや置かれている状況をイメージする想像力も育まれます。

「大勢の人の前に立つと緊張してうまく喋れない」
「緊張すると声が小さくなってしまう」…

これら日本の子供の多くが抱える問題点も、朗読で解消できると言われています。

 

音読・朗読で子どもに身に付く“8つの力”

音読・朗読

音読や朗読は、文部科学省が設ける小学校学習指導要領(国語)の中に何度も明記されるほど、最近では重要視されている学習方法です。

ここまで、それぞれのメリットについてお話ししましたが、音読や朗読に取り組むことで身に付く“8つの力”について詳しく解説します。

 

その①読解力(文法力・語彙力)

本を読むことの根底にあるのが、“読解力”です。

いくら本に興味関心があっても、文法力や語彙力がなければ内容を理解できません。

音読や朗読を通して分からない単語を調べる習慣をつけさせることが肝心です。

読解力が高まると、文章を理解するだけではなく、それを噛み砕き自分の中で展開していく力が身に付きます。

本に出てきた気になる言葉をノートなどに書き留める「自分辞書」を作らせてみるのもおすすめです。

 

 

その②コミュニケーション力(折衝力・伝達力)

社会で生き抜く上で重要視されるコミュニケーション力や折衝力、伝達力も音読・朗読でトレーニングできます。

なぜなら、人に伝わりやすいハキハキとした話し方が身に付き、人前で話すことへの不安や緊張にも慣れてきますし、聞き手の反応を見て声の出し方などを自然に調節できるようになるからです。

これらのスキルが身につけば、人前で臆することなくプレゼンできるようになり、堂々と自信を持って自らの意見を表現できる人になると言えます。

 

その③自己制御力

自己制御力とは、自らの感情(特に怒りや悲しみなどのネガティブなもの)を抑えるスキルです。

ある程度はそれらを人に伝えることも大切ですが、社会に溶け込んで生活する上では、これらの不快感情を自らで解決して気を沈めることも必要でしょう。

音読や朗読によって発声すると、気持ちを沈めて感情をコントロールできるようになります。

深呼吸や大きな声で叫ぶと、イライラした気持ちが少し鎮まるのと同じ原理です。

小さいお子さんは気持ちの整理ができず、時にそれが爆発してしまうことがあるでしょう。

そのような時には、ぜひ音読や朗読をさせてみてください。

 

その④集中力(精神統一力)

音読や朗読によって言葉を自ら音声化することによって、より本の内容にフォーカスし、周りの音や動きなどの“外的雑念”が気にならなくなります。

また、人間の脳の言語中枢は、基本的にひとつの情報しか分析処理できないため、音読や朗読をしている際は、日頃のストレスや悩みなどの“内的雑念”が思い浮かびにくくなります。

そのため、必然的に読書に集中できますし、雑念のない精神統一状態に入ることができるのです。

 

その⑤自己肯定力(自尊心)

自己肯定力とは、自分自身のありのままを肯定し、他者と比較して優劣をつけるのではなく、自分を認めて尊重する力のことです。

実は、日本の子供は世界の中でも自己肯定力が低いというデータが出ています。
(参考:東洋経済|自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさCORE|「自尊心」の国際比較研究

その原因は、今までの成績絶対主義の学校教育であるという指摘もあります。

音読や朗読は、きちんと発声や読みさえできていれば「正解」はありません。

ですから、子供の個性を尊重し褒めて伸ばすことができます。

そのため、自己肯定感を高めてあげられるのです。

 

その⑥想像力(思考力)

朗読は、本の内容を理解した上で、さらに直接的に表れていない感情や情景をイメージしなくてはいけません。

ですから、自然と想像することが習慣化していくのです。

また、本の構成をたどることを繰り返していくうちに、物事を順序立てて論理的に考えられる思考力も身に付きます。

 

その⑦達成力

自分で掲げた目標に向けて最後まで成し遂げられる達成力も、音読や朗読で身に付きます。

読み終えた本を記録として書き留める「読書ノート」を作れば、子供が自分で成し遂げたことを“見える化”でき、達成する喜びをより一層実感できるでしょう。

また、親御さんが「続きを聞きたい」「もっと読んでほしい」と子供のモチベーションを上げてあげることも肝心です。

達成経験を積み上げていくことこそ、達成力向上につながります。

 

音読・朗読の効果的な方法は?

音読や朗読の効果を十分に得るためには、「毎日継続する」ことが最も重要です。

一日10分だけ、数ページだけでもいいので、時間を決めて取り組ませましょう。

文部科学省では、音読や朗読の際に意識すべき点を以下のように明記しています。

 

  • 言葉のまとまりや響きに気を付ける
  • 句読点に着目して、聞き取りやすいように「間をあけない」「小さい間をあける」「大きな間を開ける」を使い分ける
  • 文章全体の構成や内容の大枠を理解しながら読み進める
  • 小さな声、不明瞭な発音をしない
  • 音の特徴に関心を向け、一語一語を大事に表現する(擬音語や擬態語など)
  • 朗読の場合は、声に表情をつけ、喜怒哀楽を表現する
  • 細かな指摘はせずに、のびのびと取り組ませる

(参考:文部科学省|音読・朗読文部科学省|小学校学習指導要領【国語編】

 

これらを意識して日々音読・朗読に取り組み、本当に内容を理解しているかを確認するために、感想などを会話でシェアすることも大事です。

しかし、共働き世帯などで日々の生活に忙しく、なかなかまとまった時間を毎日とることが難しい人も多いでしょう。

そこでおすすめなのが、子供の読書を習慣化できる習い事です。

 

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