コラム

「フォニックスは意味がない」そんなことはありません!基礎知識からメリット・デメリットまでまるごと解説

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突然ですが、皆さんは“フォニックス”という言葉を聞いたことはありますか?

アメリカを中心として、英語圏諸国の幼児教育で用いられている学習方法です。

日本でも、子ども向け英会話教室などで取り入れられているので、既にどのようなものか知っている人も少なくないでしょう。

“通じる英語”を習得するためにはとても有効と言われている一方で、「意味がない」「やらない方がいい」というネガティブな意見がない訳ではありません。

そこで、今回は“フォニックスは意味がない”と言われる根拠や、本当にやるべきではないのかを徹底解説します。

お子さんの英語教育を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

このコラムのポイント


・フォニックスはデメリットや注意点も理解した上で、取り入れなくては効果が得られません。

・サイトワードの暗記など、他の勉強方法と並行して学習しましょう。

・「のびのび館」では子どもの“学ぶ楽しさ”を育て、継続的に英語学習へ取り組めるようサポートします。

フォニックスは英語圏での幼児教育のスタンダード

英語教育

フォニックス(英:Phonics)は、英語圏の国において義務教育が始まってすぐに勉強するものです。

アルファベット一文字一文字と発音の関連性をセットで覚える学習方法で、これを習得すると知らない単語でも発音したり書いたりできるようになります。

従来の日本における英語教育は、英単語をひたすら覚える暗記方式が主流でした。

しかし、近年は幼児が英語を学習し始めたこともあり、多くの塾や英会話教室、自宅学習で取り入れられています。

では、フォニックスとは具体的にはどのような学習方法なのでしょうか。

そもそも、英単語や英文を読む際に、「A・B・C」は「エー・ビー・シー」とは読みません。

ですから、「A・B・C…」を「エー・ビー・シー…」と覚えてしまっている人は、知らない英単語をどうやって読めばいいかわからない人も多いでしょう。

初めて見た単語でもなんとなく読み方が想像できるようになるのが、フォニックスです。

では、一例を挙げてみましょう。

このように、どの文字がどのような発音をするかを覚えるだけで発音やスペルの“予測”をできるようになります。

アメリカでは、キンダーガーテン(義務教育1年目、幼稚園のようなもの)で単語を覚える前段階として、このフォニックスを1日1〜3音繰り返して覚えていきます。

そうすることで、単語を覚える際にも知っている言葉かどうかを子供が自ら判断でき、読書力の発達に効果的とされています。

フォニックスのメリット・デメリットは?

では、フォニックスの具体的なメリット・デメリットはどのような点でしょうか?

メリット

  • 知らない単語でも発音やスペルが予測できる。
  • 発音とスペルをセットで覚えやすい。
  • カタカナ読みになりにくい。

英単語を「暗記」で覚えてきた大人にとっては、知らない単語を目にするとどのように発音すればいいか分からないケースも多いでしょう。

しかし、フォニックスを習得した子供だと100%正確でなくても、ある程度発音が分かるようになります。

初めて聞いた単語のスペルが予想できるようになる点でも同様です。

英単語を知識として覚えるのではなく「音→文字」、「文字→音」に変換する基礎情報だけを覚えるため、効率的に単語力を増やせる点も注目しましょう。

そして、一文字一文字の音をじっくり勉強するため、“カタカナ英語”になりにくいというメリットもあります。

デメリット

  • 例外的な発音には対応できない。
  • 英語に親しみのない子にいきなりやらせると、つまらなく感じてしまうことがある。
  • 基本音だけで26音あるため、短期間で習得することは難しい。

まず、フォニックスの最も大きな注意点は、「全ての単語がフォニックスで読める訳ではない」という点です。

THやWHを含む単語などは、フォニックスの音を当てはめても正しく読めません。

これらの単語をサイト・ワード(英:SHIGHT WORDS)と呼び、暗記が必要になります。

アメリカでは学年ごとに一定数のサイト・ワードを覚えるカリキュラムが組まれており、フォニックスと並行して学習を進めていきます。

小さい頃から英会話教室などに通っている子どもにたまに見受けられるのが、「フォニックスがつまらない」と感じてしまうケースです。

そのような際には、まずは純粋に楽しめる読み聞かせや音楽、テレビなどストーリー性のあるもので耳を英語に慣れさせてから、歌や動画でフォニックス学習を進めてみてください。

そして、フォニックスは何よりも“継続”することが重要です。

子どもが1日に覚えられる情報量は限られています。

基本の音だけでも26音あるフォニックスは、1週間や2週間など短期的なスポット学習では習得できません。

焦らず少しずつ着実に覚えさせるようにしましょう。

「意味がない」「おすすめしない」と言われる理由は?日本の学校で取り入れられないのはどうして?

フォニックスについて調べてみると、「意味がない」「おすすめしない」という言葉を見かけます。

この言葉だけをみると、本当に必要なのかと疑念を持つ親御さんがいるかもしれません。

しかし、ポイントさえ押さえればお子さんの英語力を伸ばすためにもとても有効的です。

まず、多くの人が不思議に思うのが「これほどメリットがあるのに日本の学校で取り入れられないのは何故?」という点でしょう。

先ほどもお話した通り、フォニックスはこまめに少しずつ継続して覚えなくてはいけません。

ですから、週数コマの英語レッスン内だけではフォニックスは定着しないのです。

先週やった音を今週は忘れて振り出しに戻ってしまう…ということは、決して珍しくはありません。

本当にフォニックスを習得させたい場合は、自宅復習などのサポートもかかせず続けるのがポイント。

また、英語のテレビなど子どもの耳を英語に慣れさせることもおすすめします。

小学生に上がったら、フォニックスだけではなくサイト・ワードの暗記も始めましょう。

フラッシュカードなどを使って1日数語だけでも覚えれば、一年経つとかなりの語彙力が身につきます。

フォニックスは大人にも効果的

フォニックスは、幼児英語教育で用いられるため、「大人では効果がない」と言う人もいます。

しかし、そんなことはありません。

フォニックスは下のような人におすすめです。

  • 英語をじっくり時間をかけて正確に学習したい。
  • “話せる”“通じる”英語を習得したい。
  • 第一言語のように自然と口から出るに英語を学びたい。
  • 今までの発音を矯正したい。

何度もお話してきた通り、フォニックスは短期間で身につけることは困難です。

しかし、時間をかけてじっくり学習すると、座学で学んだ英語とは異なり、実際に使える英語になります。

また、今まで覚えてきた発音や英単語力を見直したい人にも、フォニックスは有効です。

カタカナ英語にコンプレックスを感じている人や、ネイティブの発音に少しでも近づけたい人は、ぜひ挑戦してみてみください。

ただし、大人が始める場合には並行して英文法を学習しなくてはあまり意味がありません。

より実践的な英語を身につけたい場合は、熟語や定番フレーズも合わせて覚えましょう。

ステップアップしてフォニックスを習得しましょう

中学生や高校生になると、分厚い単語帳でひたすら言葉を暗記する方法が主流になりますが、小さい子どもではそのようなことは到底できません。

英語・日本語限らず、子どもが言葉を覚えるためには、順序が重要です。

フォニックスも同様で、ステップアップして習得させることで、知識がしっかりと定着します。

STEP① 一音ごと音と絵で覚える

A・B・C…一音ごとに、その音が含まれる単語を目と耳で覚えます。

例)A・A・Apple(聞く) + イラスト(見る)

この段階では単語全体のスペルは意識せず、文字と音をリンクさせることが目的です。

STEP② その音が含まれる単語を覚える

次は、実際に声を出して発音してみましょう。

例)A says A, A, Apple(聞いてから声に出す) +イラスト(見る)

音・単語を連続して覚えていきます。

STEP③ 自分で音を足していけるようにする

最終段階として、単語を分解してどの音が含まれているかを自ら理解できるようにします。

また、バラバラの複数音をつなげて単語として読む練習もすることで、簡単な英文なら読めるようになります。

フォニックスを幼少期から始める場合、STEP①〜②を本能的に定着するまで何度も繰り返すことが理想的です。

音と文字がしっかりセットで覚えられてからサイト・ワードの暗記を始めると、子ども自身で「どうしてこの単語は読めないのか」と感じて、暗記する意欲につながります。

また、STEP③まで進むと、簡単な絵本などは自分で読めるようになるため、より英語の楽しさを実感できるでしょう。

まとめ|フォニックスのデメリットを理解して英語学習に取り入れましょう

フォニックスは積み上げ学習です。

決して短期間で定着させることは難しいですし、サイト・ワードなど補助的な学習も必要です。

デメリットだけ見てしまうと「意味がない」と思う人もいるかもしれませんが、一時的な記憶ではなく、体に染み付く知識として英語を学ばせたい場合には、かなり有効的と言えます。

自宅でYoutubeなどの動画からフォニックスを学ぶこともできますが、英会話教室などで友達と切磋琢磨しながら覚える楽しさは味わえません。

ぜひ、お子さんの特性を見極めて、ぴったりの英会話教室を見つけてください。

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